大腸ポリープ切除

大腸ポリープとは

大腸粘膜に生じる盛り上がった腫瘍が大腸ポリープであり、ほとんどは良性であり痛みなどの症状も起こりません。
大腸ポリープには腫瘍性と非腫瘍性のものがあります。大腸ポリープの80%以上は腫瘍性であり、大腸がんに進行する危険性があります。

どうして大腸ポリープを
切除するの?

大腸がんは大腸ポリープから進行するため、大腸カメラ検査などで大腸ポリープを発見した場合は、切除することによって大腸がんの発症予防に繋がります。
なお、全ての大腸ポリープが大腸がんになる訳ではありません。
大腸ポリープには腫瘍性と非腫瘍性のものがあり、大多数は腫瘍性に該当します。
腫瘍性のポリープはがん化するリスクがあります。
非腫瘍性のものも炎症性、過誤腫性、過形成性ポリープなどに大別され、これらの中で過形成性ポリープはがん化するリスクがあります。

大腸ポリープは
大きいとがん化する!?

5〜8mmくらいの大腸ポリープであれば、大腸がんに進行する危険性は3%以下と言われています。
ただ、20mm以上のものだとがん化リスクは50%ほどになります。
また、5mm以下のポリープでがん細胞を含むものは0.6%とされていますが、20mm以上の場合は35.8%にもなります。
したがって、大腸がんへの進行予防のために、5mmを超えるポリープを見つけたら切除すべきと言えます。

大腸ポリープの症状・原因は?
予防はできるものなの?

大腸がんの原因の多くは遺伝子異常と言われており、お酒の飲み過ぎ、高脂肪な食事、肥満、喫煙などの要因が合わさると大腸がんへの進行リスクが高まります。
大腸ポリープが生じても痛みなどの症状は起こりませんが、ポリープが巨大化すると硬い便が当たって出血症状が現れます。
その出血によって便潜血検査で陽性と判定されることもあります。
その場合、便に粘液が混じる、排便しづらい、下腹部が張る、腹痛などの症状が起こります。
大腸ポリープの発症を防ぐためには、日々の食生活を改善し、食物繊維を意識して摂取したり、野菜や果物を豊富に摂取するなど、食事の栄養バランスに注意しましょう。
また、肥満解消のために、適度なウォーキングなどの運動を習慣化しましょう。

当院では日帰りでの
ポリープ切除を行っております

当院では、大腸カメラ検査の際に大腸ポリープが発見されれば、タイプや大きさ次第ですがその場で切除することもできます。
ポリープは日帰りで切除可能で、切除の際に痛みが生じることもありません。
見つかったポリープのサイズが大きく、入院での切除が望ましいと判断した場合は、提携先の高度医療機関をご紹介いたします。

当院の大腸ポリープ切除の
術式について

大腸ポリープのタイプやサイズに応じて、主に以下の3つの方法で切除します。

ポリペクトミー

大腸ポリープにポリペクトミースネア(輪っか状のワイヤー)を取り付け、高周波電流を流して切除します。
電気を流すため出血を止める効果がありますが、周辺組織に熱が伝わると穿孔(大腸粘膜に穴があく)や炎症が生じる恐れがあります。

コールドポリペクトミー

大腸ポリープにスネアを取り付け、電気を流さずに締め付けることで切除します。
電気を流さないため一過性の出血が起こる恐れがありますが、自然に出血が止まることがほとんどです。
周辺組織に熱が伝わらないため、穿孔や炎症などの合併症が生じる危険性は少ないです。

内視鏡的粘膜切除術(EMR)

盛り上がりが少ない大腸ポリープに適した切除方法です。
ポリープの下に生理食塩水を流し込んで浮かび上がらせた後、スネアを取り付けて高周波電流を流して切除します。
ポリープの下に生理食塩水を流し込むことで、電気を流すことによる負担がかからなくなります。

大腸ポリープ切除後は
痛みがある?

大腸ポリープが生じる粘膜には神経が通っていないため、大腸ポリープを切除する時に痛みが生じる心配はありません。
なお、必要以上にポリープを深く切除すると、痛みが起こるだけでなく、様々な合併症に繋がる恐れがあります。
したがって、日帰りポリープ切除の際には、熟練の医師が在籍する医療機関に相談することをお勧めします。

大腸ポリープ切除後の
注意事項

大腸ポリープを切除してから約1週間は出血をはじめとする合併症が生じる恐れがあります。
合併症の予防のため、切除後は以下の点にお気を付けください。

  • 切除後、約1週間は腹部が圧迫される動作は避けてください。
  • 切除後、約1週間は飛行機での出張や旅行、長時間の運転は避けてください。
  • 切除後、約1週間は過度な運動は避けてください。
  • 切除当日は入浴せず、シャワー浴のみとしてください。

大腸ポリープ切除後の食事

大腸ポリープを切除してから一定期間は胃腸に負担がかからない食事メニューとしてください。
香辛料などの刺激物、揚げ物などの油分が多いもの、食物繊維が豊富に含まれるひじきなどの海藻類の摂取は控えてください。
また、アルコールによって血行が良くなって出血する恐れがあるため、飲酒は一定期間避けるようにしてください。

大腸ポリープ切除の費用

  1割負担 3割負担
大腸ポリープ切除 約9000〜11000円 約27000〜33000円