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エコー検査と内視鏡検査でわかること

 

早期発見のカギは適切な検査選択!
エコー検査と内視鏡検査で「見えるもの」の違いとは

「お腹の調子が悪い」「健康診断で精密検査をすすめられた」
そんな時、受ける可能性がある検査が エコー検査(超音波検査)
内視鏡検査(胃カメラ大腸カメラ) です。

どちらも体の内部を観察する重要な検査ですが、見えるもの得意な病気検査の方法は全く異なります。多くの方が「どちらの検査を受ければいいのか」と迷われますが、適切な検査の選択は、病気の早期発見早期治療に直結します。

本ブログでは、これら二つの検査の仕組みから特徴、そして当院が考える正しい使い分けについて、分かりやすく解説します。

エコー検査(超音波検査)の基本

  • エコー検査、正式には超音波検査と呼ばれるこの検査は、音波を利用して体の中を画像化します。

  • 検査の仕組みと特徴

  1. エコー検査は、人間の耳には聞こえない超音波を体内に送り込み、臓器や組織から跳ね返ってくる反射波(エコー)を受信して、コンピューターで画像化する検査です。

    最大のメリットは、 非侵襲的(体を傷つけない) であることです。検査に伴う痛みはほとんどなく、放射線も使用しないため、被ばくの心配もありません。妊娠中の方や、小さな子どもでも安心して受けることができます。

    また、臓器の動きや血流をリアルタイムで観察できるため、例えば心臓の弁の動きや、肝臓内の血管の流れといった動的な情報も得られるのが特徴です。

エコー検査で「わかること」

エコー検査が最も得意とするのは、臓器の形、大きさ、そして内部の構造的な異常の発見です。特に、水分や実質組織を多く含む臓器の観察に優れています。

【主な対象臓器と発見できる病変】

臓器 主な発見病変

肝臓

脂肪肝、肝硬変、肝のう胞、肝細胞がん、転移性肝がん

胆嚢

胆嚢結石、胆嚢ポリープ、胆嚢がん

膵臓

膵のう胞、膵炎、膵がん(早期発見は難しい場合も)

腎臓

腎結石、腎のう胞、腎がん

その他

脾臓、甲状腺(しこり)、乳腺(しこり)、腹部大動脈(動脈瘤)、婦人科系臓器など

特に、胆石脂肪肝、 肝臓や腎臓の「のう胞(水たまり)」 のように、臓器の構造的な変化を伴う病気の診断に威力を発揮します。

エコー検査のメリット・デメリット

メリット デメリット

・非侵襲的で痛みがなく、被ばくもない

空気や骨に弱い(腸管ガスの影響を受けやすい)

・リアルタイムで臓器の動きや血流が見える

検査者の技量に左右される

・繰り返しの検査が容易(経過観察に最適)

・微細な粘膜表面の病変の観察には不向き

デメリットとして、腸管ガスが多いとお腹の中が見えにくくなる点があります。また、観察できるのはあくまで「形」の異常であり、胃や大腸の粘膜表面の炎症や微細ながんの発見には限界があります。

内視鏡検査の基本:粘膜表面を直接観察し、治療も可能

内視鏡検査、一般的に「胃カメラ」や「大腸カメラ」と呼ばれる検査は、先端に高性能カメラがついた細いスコープを体内に挿入して行います。

検査の仕組みと特徴

  • 内視鏡検査の最大の特徴は、臓器の粘膜表面を直接、高倍率で詳細に観察できることです。これにより、わずかな色調の変化や、微細な粘膜の凹凸まで逃さずに捉えることができます。

    また、スコープの先端から器具を出し入れできるため、異常を見つけたその場で 組織を採取(生検) して良性・悪性の確定診断を行うことが可能です。さらに、早期のポリープやがんであれば、 その場での切除(治療) も兼ねて行うことができる、診断と治療の両面で非常に重要な検査です。

内視鏡検査で「わかること」

  • 内視鏡検査は、食道、胃、十二指腸、大腸といった 「管腔臓器」 の病変に特化しています。

    【主な対象臓器と発見できる病変】

  •  
  • 臓器 主な発見病変

    食道

    食道炎、バレット食道、食道がん

    胃炎、胃潰瘍、ヘリコバクター・ピロリ菌感染、胃ポリープ、胃がん

    十二指腸

    十二指腸潰瘍

    大腸

    大腸ポリープ、大腸がん、潰瘍性大腸炎、クローン病、憩室炎

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    特に、早期の消化管がんは、粘膜表面のわずかな変化として現れるため、内視鏡検査なしには発見できません。胃がん・大腸がんの死亡率を減らす上で、内視鏡検査は最も有効な手段とされています。

内視鏡検査のメリット・デメリット

  • メリット デメリット

    早期がんの発見に最も優れる

    ・検査前の前処置が必要(大腸カメラ)

    ・病変の確定診断(生検)や治療が可能

    鎮静剤を使用しない場合、苦痛を伴うことがある

    ・粘膜の炎症の程度など機能的な異常も観察できる

    ・検査時間がエコー検査より長くかかる

適切な検査の使い分けと当院の考え方

  • では、ご自身の症状や目的によって、どちらの検査を選択すべきでしょうか。

  • 症状・目的

    推奨される検査

    理由と注意点

    胃がん・食道がんのスクリーニング

    内視鏡検査(胃カメラ

    粘膜の微細な変化を直接観察する必要があるため。

    大腸がん・ポリープのスクリーニング

    内視鏡検査(大腸カメラ

    ポリープの切除を兼ねて行う。便潜血陽性の場合も必須。

    肝臓の異常
    (肝機能数値の悪化)

    エコー検査

    脂肪肝や肝炎、肝硬変など、肝臓の構造や変化を見る。

    みぞおちの痛み・胸やけ

    内視鏡検査(胃カメラ

    胃炎、胃潰瘍、食道炎など、炎症の原因を特定する。

    激しい右腹部の痛み

    エコー検査

    胆嚢炎や胆石症など、胆嚢や胆管の異常を迅速に確認する。

    血便・粘血便

    内視鏡検査(大腸カメラ

    大腸の炎症性疾患(潰瘍性大腸炎など)や大腸がんの鑑別。

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     結論:どちらの検査も重要。専門医による総合的な判断を

    エコー検査は、スクリーニング肝臓・胆嚢・腎臓などの実質臓器の異常を発見する 「形」の検査として非常に優れています。一方、内視鏡検査は、粘膜の炎症やがんといった消化管の病気を確定診断し、治療までを担う「質」の検査 です。

    どちらか一方を受ければ良いというわけではなく、患者様の症状既往歴、そして血液検査便検査の結果などを総合的に判断し、適切な検査を組み合わせて行うことが重要です。

    当院では、それぞれの検査に精通した専門医が、患者様一人ひとりに最適な検査計画をご提案し、苦痛の少ない検査を提供することで、皆様の健康維持に貢献したいと考えています。気になる症状がある場合は、まずはお気軽にご相談ください。