【胃カメラ検査を詳しく解説】 もっと早く受けておけばよかったとならないために!
胃カメラ検査を受けるべき年齢
胃カメラ検査は、胃がん、食道がん、胃潰瘍、逆流性食道炎など、さまざまな消化器疾患を早期に発見するための有効な手段です。これらの疾患は初期段階で自覚症状がほとんどないことが多く、早期発見と治療のためには定期的な検査が不可欠です。この記事では、胃カメラ検査を受けるべき年齢やタイミングについて、専門的な視点から解説します。
胃カメラ検査を受ける適切な年齢は個人の健康状態やリスク要因によって異なりますが、一般的には以下のガイドラインに従うことが推奨されています。
40歳以上の方
胃がんの発症リスクは年齢とともに増加するため、消化器系に自覚症状がない場合でも、厚生労働省や国立がん研究センターなどの公的機関が推奨するように、40歳を過ぎたら定期的に(2年に1回)胃カメラ検査を受けることが重要です。
胃がんは早期発見が治療の鍵となり、ステージIでの治療成功率は90%以上とされています。しかし、進行すると治療が難しくなり、死亡率も高まります。そのため、40歳を過ぎたら定期的な胃カメラ検査を受けることで、健康管理に積極的に取り組みましょう。
胃カメラ検査を受ける適切なタイミング
胃カメラ検査を受けるタイミングには個人差がありますが、一般的に推奨されているタイミングをお伝えします。
【症状が現れた場合】
以下の項目に一つでも当てはまる方は、年齢に関係なく速やかに医師に相談し、必要に応じて検査を受けることが重要です。消化器系の疾患の初期症状かもしれません。
〇吐き気や嘔吐が酷い
〇胃の痛みや不快感が治らない
〇食欲が低下している
〇体重の減少が続いている
〇吐血や下血が見られた
【リスク要因がある場合】
〇ピロリ菌陽性や家族歴がある方
ピロリ菌の除菌療法が成功すると、関連する様々な病気のリスクは低減しますが、完全にリスクがなくなるわけではありません。そのため、除菌後も年に一度定期的な検査を続けることが推奨されます。除菌療法が成功した患者の中でも、約10%で逆流性食道炎が報告されています。これは、ピロリ菌の除菌によって胃液の分泌が正常化し、その結果一時的に逆流性食道炎が発生する可能性があります。
〇家族に胃がんの既往歴がある方
胃がんは大腸がんに比べ、遺伝要素の影響は一般的には低いとされていますが、完全に否定することはできません。家族性大腸腺腫症を持つ人の場合、胃がんの発症リスクが通常の人よりも3.5倍高くなることがあります。ただし、ご家族が胃がんであるからと言って、自分も高い確率で発症するわけではなく、主な原因であるピロリ菌感染であることが多いため、家族内感染の影響も考える必要があります。ピロリ菌による感染は早期に検査し、必要に応じて適切な治療を行うことで、比較的簡単に除菌することが可能です。
〇喫煙や過度の飲酒をしている方
国立がん研究センターによると、たばこを吸う人は吸わない人に比べて胃がんになりやすさが2倍高いとされています。また、お酒を飲むことで噴門部の胃がんになるリスクは2倍から3倍増加するという研究結果もあります。これらの生活習慣の改善と定期的な検査を行うことが胃がん予防につながります。
〇40歳以降の定期検査
初回の検査で異常がなければ、2〜3年ごとに再検査を行うことが一般的です。
胃カメラ検査は、消化器疾患の早期発見と治療に欠かせない検査です。40歳を過ぎたら定期的に検査を受けることが推奨されますが、リスク要因がある場合や症状が現れた場合は、年齢に関係なく検査を受けることが重要です。定期的な検査と適切なケアで、健康を維持しましょう。
まとめ
胃カメラ検査は、胃がんやその他の消化器疾患を早期に発見し、治療するための重要な手段です。特に40歳以上の方は定期的な検査が推奨されていますが、症状やリスク要因がある場合は早めの受診が重要です。定期的な胃カメラ検査を受けることで、健康を守りましょう。